クレジットカードの取引の流れ、国際ブランドによる違いとは

Creditcard

先日、新しい銀行口座を開設する際に、クレジットカードの国際ブランドである Mastercard と VISA、JCB から 1 つを選ぶ機会があり、これらのブランドの違いってなんだっけ?というところから、クレジットカードについて調べてみることにしました。

クレジットカードとは

そもそもクレジットカードとはなんだろうというところから入りたいと思います。

クレジットカードは、商品を購入する際の決済手段の1つです。 クレジットカードを利用する一番の目的でもありますが、利用代金を支払う際に、後で支払う「後払い(ポストペイ)」という特徴があります。 また、支払いが後払いであるため、決済者本人の信用情報が必要不可欠であり、入会する際には審査がおこなわれます。

商取引の流れ

では、実際にクレジットカードでショッピングした際に、商取引における登場人物がどのように流れるか見ていきましょう。

利用者->カード発行会社:カード申し込み
カード発行会社-->利用者:カード発行
利用者->加盟販売店:クレジットカード提示
加盟販売店->利用者:サービス提供
加盟販売店-->加盟店管理会社:サービス代金の伝票を送信
加盟店管理会社-->加盟販売店:一括支払い
加盟店管理会社->処理センター:取引情報を送信
処理センター->カード発行会社:取引情報を送信
カード発行会社->利用者:代金請求
利用者-->カード発行会社:代金支払い
カード発行会社->加盟店管理会社:支払い

参考:Wikipedia

ほぼ言葉の通りになるのですが、、、ざっと説明すると、こんな感じです。

  • 利用者はクレジットカードを利用する人です。
  • カード発行会社はクレジットカード発行、代金請求・回収業務をおこないます。また、回収した代金を加盟店管理会社に支払います。
  • 加盟販売店は国際ブランドに加盟している店舗、当該ブランドのカードが利用できる店
  • 加盟店管理会社は加盟販売店を開拓・管理・統括します。また、利用者の支払い代金を立て替えたり、カード発行会社に代金回収後に立て替え代金を請求します。

商取引の流れがわかったところで、それぞれの特徴をまとめていきましょう。

国際ブランド

VISA とか Mastercard、良く見聞きする名前だと思いますが、これらはクレジットカードの最も大きい分類である「国際ブランド」と呼ばれるものです。

国際ブランドは、国際的に利用されているクレジットカードの決済機関のことで、世界中で決済するための決済ネットワークを有しています。

2017 年 10 月(執筆当時)では下記の 7 つの国際ブランドが存在しています。

国際ブランドの種類

  • VISA(ビザ)
  • Mastercard(マスターカード)
  • Union Pay(銀聯カード)
  • American Express(アメリカンエクスプレス)
  • JCB(ジェーシービー)
  • Dinners Club(ダイナースクラブ)
  • DISCOVER(ディスカバーカード)

クレジットカードと呼ばれるカードには、必ず上記のブランドのいずれかが表記されています。 クレジットカードと言われる所以は上述した通り、これらのブランドが利用者の信用を担保に代金を立て替えてくれるからです。

国際ブランドのシェア

2016 年中のカード決済の取引額は約 30 兆円に達しました。

各ブランドごとのシェアは下記の通りです。

国際ブランド シェア
VISA 54%
Mastercard 26%
Union Pay 15%
American Express 7.2%
JCB 3.0%
Dinners Club/DISCOVER 2.3%

※ クレジットカードだけでなく、デビットカード、プリペイドカードも含まれます。

参考:The Nilson Report - Purchase Transactions on Global Cards in 2016 (Bil.)

各国際ブランドの特徴

VISA

VISA(ビザ)は、世界 No.1 のシェアで MasterCard と並ぶ 2 大ブランドです。

VISA は「Value International Service Association ※」の略で、「金融界のビザとして、各国地域の市場ニーズに合わせた貨幣価値を、国際決済サービスで提供する世界通貨」という意味をもつということです。

この「世界通貨」が示す通り、世界各国で利用できるのが特徴です。

※ VISA の略称については「Value Issuer Service Area」という説明も見かけましたが、Wikipedia を信じてみました。

MasterCard

MasterCard(マスターカード)は、世界 No.2 のシェアで VISA と並ぶ 2 大ブランドです。

調べてみると、ヨーロッパ圏で強いという説明が多く見受けられましたが「EMV 仕様 ※」で EuroPay と VISA との提携から始まり、現在では VISA、MasterCard に同時加盟しているカード会社が、加盟店の開拓業務をおこなうことが多いため、どちらも利便性に大きな差はないとされています。

※ EMV 仕様 … EuroPay、MasterCard、VISA の 3 社により定められた「IC カードと端末に関する仕様」の国際的なデファクトスタンダードのこと。

American Express

「Amex(アメックス)」の通称でも知られる。アメリカホテル組合会社が発行権を買収して現在に至る。カードのグレードに合わせ、用意された豊富なサービスが特徴。「ゴールドカード」「プラチナカード」「ブラックカード(正式名称は「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」)」の元祖である。また、自社発行のカードに、グレードに応じた利用限度額を設定していない。実質の限度額を増やす条件には、アメックスの支払い実績を作るか、資産の裏付けに応じること等が挙げられる。

上記 2 社とは違い、自社でカード発行を行う「イシュア業務」と「アクワイアラー業務」と伴に、日本では MUFG カード、クレディセゾンに、香港ではイオンクレジットサービスの現地法人に対しても、ライセンス供与を行っている。ローマ兵士のカードフェイスで知られる。日本国内では自社加盟店の他、提携先の JCB の加盟店でも使用できるため、日本国内における利用可能店舗数は、上記の 2 社にほぼ並ぶ。

JCB

日本で最初に発行された、日本企業による本格的なクレジットカード。民間企業で初めての、銀行口座からの自動振替を実現するなど、長らく日本のクレジットカード業務を開拓、牽引してきた。アジア初の国際ブランドである。アジア各国を中心に加盟店を増やし、韓国や台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイなどでは VISA や MasterCard 並みの加盟店がある。また、アメリカ合衆国などでは、加盟店開拓業務で American Express との提携を行っているが、完全な相互開放ではない(加盟店側がオプションとして選択する形式)。また、後述の DISCOVER との相互開放提携を行っている。日本最大のカード会社のため、日本での利用店舗数は最大規模を誇り、地方には JCB しか使えない店も散在する。日本では自社および JCB グループ(フランチャイズ)以外のカード会社にもライセンス供与(加盟店開放・ブランド発行会社)を行い、提携先を通じたカード発行も行われている。これらのカードも含め、2007 年現在は日本でトップのシェアがある。

Diners Club

アメリカでは様々な業種によって、クレジットカードが多数発行されてきたが、飲食店を中心に、汎用型のクレジットカードとしては、アメリカで最初のものといわれる。ほとんどの自社発行カードの利用限度額には一律に制限を設定していない。また、ゴールドカード以下のグレードに値するカードは発行しておらず、入会時には高い属性が要求される。このためステータスが高いブランドの1つといわれていた。長きにわたり独立系で加盟店は少なかったが、2000 年にシティグループに属したことで、米国・カナダにおいて MasterCard との提携が実現、また日本においては JCB と加盟店開放契約(Amex と同様、完全開放ではなくオプション扱い)を締結、北米地域・日本における利用可能店は拡大している。2008 年 4 月、シティグループは経営不振により傘下のダイナースクラブ・インターナショナルをディスカバー・フィナンシャル・サービシスに売却。ディスカバーの傘下となった。

DISCOVER

アメリカ発、カード会員 5 千万人、加盟店 4 百万店以上。大半の加盟店はアメリカであるが、一部カナダ、メキシコ、コスタリカ、ミクロネシア、マーシャル諸島やカリブ海の諸国で加盟店開拓をしている。また JCB 及び中国銀聯と加盟店を相互開放しており、日本、中華人民共和国、シンガポール、タイ、韓国などアジア地域での利用可能店を急速に拡大している。

2017 年現在、日本国内の会社からカード発行されていない、唯一の国際ブランドである。

中国銀聯

中華人民共和国を中心に広がっている決済ネットワークシステム。国際表記は「China UnionPay」(ロゴ上では「UnionPay」)。クレジットとデビットの二種類がある。中国以外にもアメリカ合衆国、日本、シンガポール、韓国、タイ、ドイツ、フランス、オーストラリアなど約 20 カ国で利用できる。前述のディスカバーカードと加盟店の相互開放を行っている。

銀行によっては、VISA/MasterCard/JCB との複合タイプも発行されているため、それらについては当該ブランド加盟店での利用も可能。


調べてみると面白いものですね。

VISA と MasterCard をもっておけば困らなそうな結論は得ましたが、最近は即時引き落としのデビットカードも良いなーと思っています。

用途にあわせて使い分けるのもよいですね。